Newみんなの算数講座14 記念撮影と掃除当番

Newみんなの算数講座14 記念撮影と掃除当番

今回の講座では場合の数の2大スターともいえるの計算との計算について紹介したいと思います。前回に続いてユニークなタイトルをつけてみましたが、このタイトルが内容を伝えるにはとてもふさわしいと思ってます。

では初めにの計算との計算の本名をお伝えしておきます。

ermutation
ombination

これが本名です。カタカナで書くとパーミュテーション、コンビネーションです。この2つの英単語の頭文字は数学の記号として正式に使われています。中学や高校で習った人も多いでしょうね。たぶん中学受験の塾でも教える先生がいるんじゃないかな。頭文字なら小学生にも難しくありませんからね。

パーミュテーションは初耳の人が多いかも知れませんが、コンビネーションは日本語でもよく使いますね。コンビネーションサラダ、コンビネーションプレー、そうそう、そんな感じ。日本語に訳すと、パーミュテーションが順列、コンビネーションが組合せです。パーミュテーションは身近なたとえがないけど、コンビネーションサラダはいろいろな野菜の組合せですよね。

ではそれぞれの意味と使い方を解説します。よく似てますのでしっかり区別できるようにしてください。

<記念撮影はermutation 順列

4匹の動物がいますよ。サル、パンダ、ライオン、ゾウ。みんな別人(別動物?)ですね。

上の4匹のなかから3匹を横一列に並べて記念写真を撮ろうと思います。並べ方は全部で何通りありますか?

このような並べるパターン数を調べるのが順列の問題です。順列という言葉には並べるという意味があります。

まず式の書き方ですが、4匹のうち3匹を並べるから
3と書きます。 ←全部の数並べる数

計算方法は左の数の4からスタートし、1ずつ減らしながら3つの数(右の数が3だから)をかけてください。
3=4×3×2=24(通り)になります。

この計算の意味も説明しておきましょう。
[○□△]のように並ぶ写真を考えると、
○に並べる動物 4通り ←どの動物でもよい
□に並べる動物 3通り ←○に並べた1匹が減るから
△に並べる動物 2通り ←さらに□に並べた1匹が減るから
これらをかけ算して、全部で4×3×2=24(通り) と計算できるわけです。講座11でも触れた積の法則というかけ算ですね。
24通りすべてを示すのは大変なので、○に並べる動物がの6通りだけ示しておきます。○に並べる動物がの場合も同じように6通りずつになりますね。(6×4=24)

○    □    △





メモ 4匹すべてを並べるなら4P4で4×3×2×1=24ですね。これは4!(4の階乗)という書き方もします。4P3と4P4の答えが変わらないのは、3匹並べると4匹目は残された1匹に決まるからです。

重要 nPrの計算方法
異なるn個のものの中からr個を並べる順列の数は、
nからスタートして1ずつ減らしながらr個の数をかければよい。

【注意】異なるn個が大切です。区別できないサルが2匹など同じものが含まれいるとこの計算はできません。


<掃除当番はombination 組合せ

さきほどの4匹の動物にネコを加えて5匹にします。5匹の動物のなかから、3匹の掃除当番を選ぼうと思います。掃除当番の選び方は全部で何通りありますか?

この問題は最初の記念撮影の問題とは大きな違いがあります。それは掃除当番を選ぶ場合は並べる順番に意味がないという点です。
たとえばは記念撮影の並び方としては区別する必要がありますが(順番が違えば違う写真)、同じメンバー構成だから、掃除当番を選ぶときには区別しませんよね?
掃除当番のように、選ぶことだけが目的で、並べる順番を考える必要のない場合を組合せといいます。

式は53と書きます。 ←全部の数C選ぶ数
計算方法は(にかえて計算した積)を(の右の数を1ずつ減らして1までかけた積)で割ります。


=(53)÷(3×2×1)
=(5×4×3)÷(3×2×1)
=60÷6=10(通り)
5×4×3を分子、3×2×1を分母に書いて約分すると簡単ですよ!

組合せの計算で割り算を行う理由ですが、53で求める60通りの中には、選び方としては区別されないものが6通り(=3×2×1)ずつ重複しているからです。

メモ 53で求める60通りは、下のような同じ選び方を6通りずつ数えています。
  
  

重要 nrの計算
異なるn個のなかからr個を選ぶ組合せの数は、
[nrの積]を[rから1ずつ減らして1までかけた積]で割ればよい。


みなさん、順列Pの計算と組合せCの計算方法を理解していただけたでしょうか?
場合の数の分野はとても奥が深く、難しい問題もたくさんあります。今回の2人のスターを知ることは、まだ場合の数の入り口に過ぎませんが、基礎としてとても大切な内容です。これは僕からのアドバイスですが、1の跳び箱の上に3の跳び箱は乗りません。無理に乗せても不安定でグラグラします。いつ落ちちゃうかわかりゃしない。算数でも基礎を大切にしっかり積み上げていかないと、あとになってガタガタと崩れてしまうのです。今回の内容はまさに基礎ですが、いつまでも頭の中で大切にしてくださいね。そうじゃないと僕が動物の画像を用意した意味がありませんから。これは冗談(*^^)

では、最後にもう一度繰り返して今回の講座を終わることにします。

順列P 並べる順番にも意味がある
組合せC 選ぶことが目的(並べる順番は考えない)

みなさんへの宿題
まぐろ、いか、えび、サーモン、あじ、たこ、あなご、玉子の8種類のお寿司が1つずつあります。渋野さんは、この中から好きなお寿司を4個選びたいと思っています。選び方は全部で何通りありますか?
できた人はコメントください。お名前はニックネームでかまいません。正解者を発表させていただきます。