NEWみんなの算数講座108 〈相当算〉下ろす手と下ろさない手

NEWみんなの算数講座108 〈相当算〉下ろす手と下ろさない手

みなさんこんにちは。
いつも全国からたくさんのメールをいただきます。それを読むたびに算数がみなさんとの架け橋になっていることを実感しています。返事を書くのが大変なこともありますけど、でも正直とても嬉しいです。みなさんどうもありがとうございます(*^-^*)
最近ある方から、「先生の算数講座はとても参考になりますが、最近難しい回が多いので、基本の回もお願いできませんか?」というご意見がありました。言われてみれば、しばらく基本だけを扱った回はなかったかもしれません。そこで今回はどっぷりと基本だけの内容で書きたいと思います。NEWみんなの算数講座108回目。受験生なら誰でも早めに習う割合の相当算がテーマです。

相当算。見たことがない人は少ないでしょう。算数での出題率がとても高い文章題です。線分図を使って解く方法が有名ですよね。ではさっそく相当算の例題を出してみます。

あんりさんは、お母さんからおこづかいをもらいました。そのうち1/4を使ってマスクを買い、残りのお金の3/5でゲームソフトを買ったところ、お金が840円残りました。
(1)あんりさんがお母さんからもらったおこづかいはいくらですか?
(2)マスクとゲームソフトの値段は、それぞれいくらですか?

あんりさんは最近流行りの「ぼる塾」からお借りしました。すごく面白い漫才グループですよね。僕は何回か見てファンになってしまいました(笑)

あまり脱線しないように戻って相当算。線分図を書いて解くのがオーソドックスな解き方ですが、「線を下におろすか」「おろさずに1本で済ますか」で方針が分かれます。両方の解き方を示しますので、みなさんが相当算を解くときは、頭に合う方を選んでください。

〈解き方1 線をおろす方法〉


(1)
このような線分図が書けるとよいです。
あんりさんがもらったおこづかいを〇の割合で1にします。マスクを買うために使ったのは〇の割合の1/4です。
そして残ったところを下におろして、改めて□の割合で1にします。ゲームソフトを買うために使ったのは□の割合で3/5です。最後に残った840円は□の割合で2/5です。

もとにする量(1にあたる量)=比べる量÷割合
なので、
840円を2/5で割ると□1にあたる金額がわかります。
840÷2/5=840×5/2=2100円…□1にあたる金額
*1を求めるときは割合で割ることをしっかり抑えてください。

□1にあたる金額が2100円とわかったところで線分図の上の線にもどると、2100円は〇の割合の3/4だから、今度は2100円を3/4で割ると〇1にあたる金額がわかります。
2100÷3/4=2100×4/3=2800円
これがあいりさんがお母さんからもらったおこづかいです。

(2)
マスクの値段は、比べる量=もとにする量(1にあたる量)×割合で計算します。〇1の金額にマスクの割合(〇1/4)をかけましょう。
2800×1/4=700円…マスクの値段
*2800-2100=700円でもよいです。

ゲームソフトの値段は、□1の金額にゲームソフトの割合(□3/5)をかけます。
2100×3/5=1260円…ゲームソフトの値段
*2100-840=1260円でもよいです。

この解き方は、初めにおこづかいの額を〇1とし、マスクを買ったあとに残っているお金を改めて□1にします。つまり、もとにする量(1にあたる量)を2回設定するということです。相当算を解くときに一番人気の解き方だと思います。〇1にあたるおこづかいの額、マスクを買ったあとの□1にあたる金額、マスクの値段、ゲームソフトの値段。これらを求めることができれば合格です。

〈解き方2 線を1本で済ます方法〉

(1)
今度はこのような線分図を書きました。さきほどの線分図との違いは、〇の割合だけで済ませていて、□の割合は使っていません。
おこづかいを〇1、マスクの値段を〇1/4、マスクを買ったあとに残っているお金を〇3/4と表すのはさきほどと同じですが、ゲームソフトの値段は〇3/4の3/5だから、3/4×3/5というかけ算で〇9/20と表します。最後に残ったお金(840円)は、〇3/4の2/5だから、3/4×2/5=〇3/10です。

もとにする量(1にあたる量)=比べる量÷割合なので、
840円を3/10で割ると〇1にあたる金額、つまりおこづかいの額がわかります。
840÷3/10=840×10/3=2800円…〇1にあたる金額(お母さんからもらったおこづかい)

こちらの方法だと、マスクを買ったあとに残っている額(解き方1の□1)を経由させることなく、直接おこづかいの額を求めることができます。

(2)
マスクやゲームソフトの値段は、比べる量=もとにする量(1にあたる量)×割合で計算します。マスクの値段は解き方1と同じです。〇1の金額にマスクの割合(〇1/4)をかけて、2800×1/4=700円…マスクの値段

ゲームソフトの値段は、〇1の金額にゲームソフトの割合をかけます。ゲームソフトの割合は〇3/4×3/5=〇9/20です。
2800×9/20=1260円…ゲームソフトの値段

***
以上相当算を2つの解き方で解いてみました。どちらがわかりやすいですか?
僕の経験では、支持する生徒が多いのは解き方1ですね。解き方1は、途中でもとにする量(1にあたる量)が〇1から□1に変わるところがポイントです。どこをもとにして計算しているのか? しっかり考えながら進めてください。
解き方2は、1種類の割合で済ませているから、途中でもとにする量(1にあたる量)が変わることはありません。ただし、〇3/4の3/5を3/4×3/5=〇9/20と表すところがしっくり頭に落ちないという意見がよくありますね。どちらがよくて、どちらが悪いということはないので、みなさんの頭になじむ方で解いてもらえれば大丈夫です。器用な人はそのときの気分で使い分けてくれてもいいですよ。最初に書いたように、相当算は算数でほんとよく出てきますから、必ずマスターするようにしてください。

今回せっかくご意見をいただいて相当算にふれたので、次回は少しレベルを上げて、今回よりややこしい相当算を解説しようと思います。割合に金額のしっぽがついていたり、□1の線をおろしたら、最後に〇の条件が戻ってきたりする相当算もあるんです。
では今回の講座はこれで終わりにします。次回の講座を楽しみに待っていてくださいね。

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