NEWみんなの算数講座84 テープは植木算より周期算

NEWみんなの算数講座84 テープは植木算より周期算

のりしろを作ってテープをつないでいく問題、よくありますね。テープじゃなくて輪っかも多いです。植木算で考える生徒が多いけどやめたほうがいいですよ。□が2個の逆算は算数の弱点だからです。今回はそんなお話。

テープはこんなの。(ボクの作成)

輪っかだとこんなの。きれいだな~。(いただきものです)

今回の問題はテープの方で出しますね。テープがわかれば輪っかも同じだから大丈夫です。では次の問題を見てください。

下の図のように1枚の長さが8cmのテープをのりしろを2cmにしてつないでいきます。

(1)テープを24枚つなぐと、全長は何cmになりますか?
(2)全長が254cmのとき、テープは何枚つなぎましたか?

簡単!と思った人が多いと思います。確かに難しくはないですが、これから説明することをちゃんとわかっている人はそんなに多くないと思います。簡単な問題にもいろいろと着眼点はあるんです。期待して読んでみてください。

(1)
おそらく一番人気の考え方は、のりしろがないと考えて全長を求め、そこからのりしろの分を引くという植木算の考え方でしょう。それだと次のようになります。

のりしろがないと考えたとき、8cmのテープ24枚の全長は、
8×24=192cm
実際には23ヶ所ののりしろがあるから、2×23=46cmがのりしろによって短くなります。
*テープは24枚。テープとテープの間は24ー1=23ヶ所です。(植木算)

したがって求めるテープの全長は192ー46=146cm
とくに問題ないですね。やはり簡単ですよね。では(2)はどうなりますか?

(2)
テープの枚数を□枚としましょうか。
のりしろがないと考えたとき、8cmのテープ□枚の全長は8×□(cm)
実際には(□ー1)ヶ所ののりしろがあるから、2×(□ー1)cmがのりしろによって短くなります。
全長が254cmとわかっているから、次のような式ができます。
8×□ー2×(□ー1)=254

さて、この式どう処理します??? かっこをはずすんですか?
でもマイナスのかっこをはずすのは算数では説明が大変です。算数にはマイナスの数がないから、ー2×(□ー1)をー2×□+2と教えるのは、あまりうまい教え方ではありません。強引な教え方をすると算数嫌いが増えちゃう。

テープ問題の教訓
本数から全長を求めるのは植木算で考えてもよいが、全長から本数を求めるのは植木算だと説明に苦労する。

そこでタイトルに書いたように、テープ問題では植木算をやめて、次のような周期算として考えると苦労が少なくなるでしょう。

上の図のように、左側から始めてのりしろの手前で切っていきます。
すると6cmが続いていくことになり、最後の一枚だけが8cmになります。

(1)
24枚のテープをつなぐと、6cmが23回と、8cmが1回です。
6×23+8×1=138+8=146cm
さっきと同じになりましたね。

(2)
全長が254cmのとき、最後の一枚(8cm)を引くと254ー8=246cmです。
これを6cmで割って6cmの枚数を求めると、246÷6=41回
この枚数は最後の一枚(8cm)がふくまれていないから、
求めるテープの枚数は41+1=42枚です。

どうですか? 全長から本数を求めるときは周期算で考えた方がスッキリいくでしょう? 最後の一枚だけウッカリ忘れないようにしてくださいね。その「+1」を避けたいなら、最後に架空ののりしろ(2cm)を想定して、(254-2)÷6=42枚とするのもありでしょう。

***
枚数から全長 ➡ 植木算でも周期算でも大丈夫
全長から枚数 ➡ 周期算のほうが明快!
覚えておいてくださいね。

今回の問題はやさしかったと思いますが、やさしいなりにいろいろ工夫の余地があることをおわかりいただけたかと思います。算数でよくないのはワンパターンです。ワンパターンって壁にぶつかりやすいんです。いつもはこうやるけど、他の解き方もないかな?という姿勢を大切にしてほしいですね。自分がやっていた解き方が、ホントはあまりよくないというケースはけっこうあると思いますよ?

ではこの講座はここまでにします。次回の講座もなるべく早めに書きますね。

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