NEWみんなの算数講座75 ついたり消えたり問題

NEWみんなの算数講座75 ついたり消えたり問題

中学受験 大学付属校 合格バイブル

新品価格
¥1,760から
(2021/2/4 21:52時点)

皆さんこんにちは。ニューみん算講座の75回目です。
今回は規則性のジャンルから、電球がついたり消えたりする問題を解説しようと思います。○と×を使って最小公倍数までデータを作るというやり方を覚えておくだけで、枝の問題(カッコ1、カッコ2など)がどんどん解けてしまいますよ。
ではさっそく問題を出してみますね。

AからCまでの電球があり、それぞれの電球は次のようについたり消えたりを繰り返します。

Aの電球は「3分間ついて、1分間消える」をくり返します。
Bの電球は「4分間ついて、2分間消える」をくり返します。
Cの電球は「5分間ついて、3分間消える」をくり返します。

いま、すべての電球を同時につけました。

(1)次にすべての電球が同時につくのは、最初に電球をつけてから何分後ですか?

(2)AとCの電球だけがついている状態になるのは、最初に電球をつけてから何分後ですか? 最初を除いて順に3つ答えてください。

(3)Cの電球だけがついている状態になるのは、最初に電球をつけてから何分後ですか? 最初を除いて順に3つ答えてください。

(4)最初に電球をつけてから3時間の間に、すべての電球がついているのは全部で何分間ありますか?

最初に書いたように、この手の問題では○と×を使ってデータを準備します。それをしないで計算式だけで解こうとすると、(1)はクリアできると思いますが(2)(3)あたりで必ず苦労します。算数は計算式だけでは役不足!こうした工夫こそが算数のおもしろさなのです。
では僕が作った○×データを見てもらってからまた解説しましょう。

これがデータです。○がついている時間、✖が消えている時間です。
時間の幅がわかるように、単位はつき始める時間(から)つき終わる時間(まで)を両方書きました。各設問に答えるときは、その状態になった瞬間を答えればよいから、つき始める時間(から)の方で答えます。

僕はこのデータ調査を24分後までで終わりにしました。それはたまたまそうしたわけではなく、きちんと理由があります。

Aの電球は3分間ついて1分間消えます。その合計の4分間をAの電球の1サイクル、同じように、Bの電球は4分間ついて2分間消えるから合計の6分間を1サイクル、Cの電球は5分間ついて3分間消えるから合計の8分間を1サイクルと考えます。
その合計時間4分、6分、8分の最小公倍数は24分だから、3つの電球の状態は、24分後にもとに戻る(スタートの0分後と同じになる)のです。その理由で調査は24分後までで終わりにしました。
このことが(1)の答えになりますね。3つの電球がスタートの次に同時につくのは24分後です。→(1)の答え

(2)
AとCの電球だけがついている状態になるのは、緑色のところです。つき始める時間(から)を読み取ってください。
最初を除いた3回は、4分後、10分後、16分後です。

(3)
Cの電球だけがついている状態になるのは、紫色のところです。11分後ですね。データの24分間の中にはこの一回しかありません。しかしそれはデータ調査を24分後までで終えているからです。11分後に24の倍数(24,48,72,…)をたした時刻は11分後と同じ状態です。
次になるのは11分後に24分をたした35分後、その次は11分後に48分をたした59分後です。
解答は11分後、35分後、59分後です。

(4)
すべての電球がついているのは赤のところです。24分間の中に8分間ありますね。
では3時間の中には何分間あるでしょう?
3時間は180分だから、180÷24を計算して、上のデータ図が繰り返される回数を調べます。
180÷24=7回あまり12分

まず、すべての電球がついている8分間が7回あると考えて
8×7=56分
さらにあまりの12分間の中に5分間あることがわかります。
※あまりの12分間を調べるときは、図のスタート(0分後)から12分後までを調べます。12分後~13分後にすべての電球がついていますが、12分後までなので、12分後~13分後の1分間は含みません。

56+5=61より、求める解答は61分間です。

以上、規則性を見極めて考える電球ついたり消えたり問題でした。理解していただけたでしょうか。
ポイントまとめておきますね。

複数の電球のついたり消えたり問題では

それぞれの電球の〈ついている時間+消えている時間〉を1サイクルと考え、いくつかの電球の1サイクルの最小公倍数を計算し、その時間までの状況を○×データにする!

(注)「何分後」を答えるのはつき始める時間。つき始める時間は0分後から書くこと(1分後からではない)。つき終わる時間は省略しても大丈夫でしょう。


この問題を通して知ってほしいのは、算数の問題にはいきなり計算を始めてもすぐに行き詰まってしまう問題がある!ということです。(2)や(3)の問題を式を立てて式だけで解決させるのは相当大変だと思います。不可能ではないでしょうがおそらく汗ダクになるでしょうね。算数には長年使われてきたいろいろな工夫があります。NEWみんなの算数講座、すでに75本の講座を書いてきましたが、これからも100本、いやそれ以上を目指して、皆さんに算数の算数らしい考え方をたくさん伝えていきたいと思います。ぜひまた読みにいらしてくださいね。では今回はこれでおしまいにします。お疲れさまでした。

NEWみんなの算数講座への質問やご意見、筆者ウタマル先生へのお便りは、メールのイラストをクリックして、メールフォームからお寄せください。