Newみんなの算数講座6 倍数の判定法

Newみんなの算数講座6 倍数の判定法

今回は倍数の判定法について説明したいと思います。
ある整数が3の倍数か?4の倍数か?というときに、いちいち筆算して調べる必要はありません。それが今回のテーマですね。正しく覚えておけば、いろいろな問題を解くときにかなり便利に使えると思います。

それでは2の倍数から11の倍数までの倍数判定法を順番に説明します。ひとつひとつ納得しながら読んでくださいね。

2の倍数の判定
これは簡単です。2の倍数とは偶数のことです。
2の倍数には一の位が偶数(0, 2, 4, 6, 8)という性質があります。
一の位が奇数(1, 3, 5, 7, 9)のときは2の倍数ではありません。

【判定例】
176 一の位が偶数だから2の倍数です
2793 一の位が奇数だから2の倍数ではありません

3の倍数の判定
3の倍数には各位の数字の和が3の倍数という性質があります。
その整数の各位の数をすべて合計したとき、その合計が3の倍数ならもとの整数は3の倍数です。

【判定例】
176 各位の数字の合計14が3の倍数ではないから、176は3の倍数ではありません
2793 各位の数字の合計21が3の倍数だから、2793は3の倍数です

4の倍数の判定
4の倍数には下2ケタが4の倍数という性質があります。
下2ケタ以外は4の倍数の判定には一切関係がありません。下2ケタの4の倍数には00、04、08を含みます。

【判定例】
176 下2ケタの76が4の倍数だから、176は4の倍数です
5290 下2ケタの90が4の倍数ではないから、2790は4の倍数ではありません

5の倍数の判定
これはとてもやさしいです。
5の倍数には一の位が0か5という性質があります。

【判定例】
176 一の位が6だから5の倍数ではありません
2790 一の位が0だから5の倍数です

6の倍数の判定
6の倍数は、2の倍数であり3の倍数でもあるものです。
つまり、上に書いた2の倍数、3の倍数の両方にあてはまれば6の倍数です。

【判定例】
176 2の倍数ではあっても3の倍数ではありません。両方にあてはまらないから6の倍数ではありません
2790 一の位が0だから2の倍数、各位の数字の合計が18だから3の倍数です。両方にあてはまるから6の倍数です

7の倍数の判定
ふつう7の倍数には判定法がないといわれます。参考書などにもほとんどのってないでしょう。これはこの講座を読んだ人だけのお宝になるでしょうね。少し長いですが頑張って解読してください。

①3ケタの整数を調べるとき
一の位の2倍と上位2ケタの差が7の倍数(0をふくみます)という性質があります。

【判定例】
574 一の位の2倍は8、これと上位2ケタの差は57-8=49です。49は7の倍数だから、もとの数574は7の倍数です。

②大きな整数を調べるとき
下位から3ケタずつに組分けし、奇数番目の組と偶数番目の組の和をそれぞれ求めます。それらの差が7の倍数ならもとの数は7の倍数です。そのときに求めた差が7の倍数かどうかは、改めて①の判定を行うことができます。

【判定例】
17988904598
下位から3ケタずつの組分けは598、904、988、17です。
奇数番目の組の和は 598+988=1586
偶数番目の組の和は 904+17=921
これらの差は1586-921=665です。
665について①の判定を行うと 66-5×2=56
56は7の倍数だから、最初に書いた整数は7の倍数です。

8の倍数の判定
8の倍数は2つの判定法を紹介しておきます。

ア 下3ケタが8の倍数
4の倍数は下2ケタでしたが、8の倍数は下3ケタで判定です。下3ケタの8の倍数には000、008、016などをふくみます。

【判定例】
13328 下3ケタ328が8の倍数だから、13328は8の倍数です

イ 下3ケタを8で割る計算は少し面倒ですね。そう感じる人はこちらの判定法を使ってみてください。

百の位が偶数のとき、下2ケタが8の倍数なら8の倍数です
百の位が奇数のとき、下2ケタが「8で割れない4の倍数」なら8の倍数です

【判定例】
648 百の位が偶数。下2ケタの48が8の倍数だから、648は8の倍数です
2740 百の位が奇数のときは、下2ケタが8の倍数でも8の倍数にはなりません
2736 百の位が奇数で下2ケタの36が「8で割れない4の倍数」だから、2736は8の倍数です

9の倍数の判定
9の倍数には各位の数字の和が9の倍数という性質があります。
その整数の各位の数をすべて合計したとき、その合計が9の倍数ならもとの整数は9の倍数です。何かの判定法とソックリですね。そう、3の倍数です。3の倍数と9の倍数は判定法が似ています。セットで覚えてくださいね。

【判定例】
576 各位の数字の和が18。18は9の倍数だから、576は9の倍数です
2793 各位の数字の和が21。21は9の倍数ではないから、2793は9の倍数ではありません

11の倍数の判定
11の倍数判定については公式テクニック集にも書きました。
一の位からひとつおきに取り出した数字の和と、十の位からひとつおきに取り出した数字の和を求め、それらの差が11の倍数(0をふくむ)なら11の倍数です。

【判定例】
9372 一の位からひとつおきに取り出した数の和は2+3=5。十の位からひとつおきに取り出した数の和は7+9=16。この差が16-5=11(11の倍数)だから、もとの数9372は11の倍数です

倍数の判定法いかがでしたか?
「当然!」と「初耳!」が両方あったのではないでしょうか。中学受験の算数では、このあたりまで知っていたら十分だと思います。7の倍数はマニアックだから忘れてかまいませんが、それ以外の判定法は頭に入れておいてくださいね。

ではみなさんが今回の倍数判定法を大いに役立ててくださることに期待して、今回の講座をおしまいにしたいと思います。

カーテンコール
ものはついでなので、少し延ばして12の倍数~16の倍数まで簡単に触れておきましょう。

〈12の倍数の判定〉
12は3と4の最小公倍数だから、3の倍数と4の倍数の両方にあてはまれば12の倍数です。

〈13の倍数の判定〉
7の倍数に続くマニアック第二弾です(笑)
3ケタの整数なら、一の位の9倍と上位2ケタの差が13の倍数(0をふくむ)なら13の倍数です。大きな整数の場合は、7の倍数②と同じ手順を踏んでから改めて判定します。

〈14の倍数の判定〉
14は2×7だから、偶数で7の倍数なら14の倍数です。しかし7の倍数判定がマニアックだから、14の倍数判定もあまりやることはありませんね。

〈15の倍数の判定〉
3の倍数と5の倍数の両方にあてはまれば15の倍数です。

〈16の倍数の判定〉
下4ケタが16の倍数なら16の倍数です。16の倍数は4で二回割れるから、一度下4ケタを4で割り、もし割り切れたらその商を4の倍数判定するという手もあります。

みなさんへの宿題
18の倍数の判定法を簡潔に説明してください。

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