Newみんなの算数講座3 食塩水のてんびん

Newみんなの算数講座3 食塩水のてんびん

今回はてんびんと呼ばれる食塩水の問題ですごく役に立つ技を紹介しようと思います。この方法を身につければ、今まで食塩水の問題で苦しんでいた人も、その苦労からだいぶ解放されることでしょう。

初めに〈食塩水の3公式〉を確認しておきます。てんびんを使って食塩水の問題を解くと、この3公式は使わずに済んでしまうこともありますが、基本問題はてんびんを使わなくても解けますし、3公式は絶対に覚えておくべきです。
下の図は「しこ全」と覚えてください。お、さ、食塩水体のどれかを求めるとき、他の2つがタテに残っていたらわり算、並んで残っていたらかけ算です。


お÷さ=食塩水
お÷食塩水体=
さ×食塩水体=

ではここから てんびん の説明に入ります。てんびんは次のような食塩水を混ぜる問題で偉大さを発揮します。

8%の食塩水120gと20%の食塩水を混ぜて、12%の食塩水を作ろうと思います。20%の食塩水は何g混ぜればよいですか?

もう少し情報が多ければ、ビーカー図を書いたりして3公式で対応できるのですが、この問題は情報が少ないです。20%の食塩水の重さ、さらにでき上がる12%の食塩水の重さもわかっていませんね?なので残念ながら普通に3公式を使って解くのは難しいのです。そこで…。


僕がソフトで作った図ですが、これがうわさのてんびんです。さっそく使い方を解説しますね。

手順1
てんびんのウデの両端に、混ぜる食塩水のこさを記入します。うすい方を左、こい方を右に書くと見やすいですよ。

手順2
支点の上に、でき上がる食塩水の濃さを記入します。

手順3
ぶらさがっているおもりのところに、それぞれの食塩水を混ぜる重さを記入します。

手順としましたが特に順番は気にしなくてよいです。また、手順1~3のすべての数がわかっていれば問題になりませんから、どこかに数が書けないところがあるはずです。どこかが抜けていて正常です(笑)

では実際に問題の数値を記入してみましょう。

20%の食塩水の重さがわからないから、そこはgにしました。
ここからが具体的な計算方法です。

てんびんでは、支点から両端までのウデの長さと、下にぶらさがっているおもりの重さが逆の比になります。

この問題の場合、支点から両端までのウデの長さの比は、
(12-8):(20-12)=4:8=1:2

この比を逆にして、おもりの重さは2:1です。
2にあたる重さが120gだから、1にあたる重さは60g
これで20%の食塩水を混ぜる重さが60g(答え)であることがわかりました。

いかがでしょうか。すごく簡単でしょう?てんびんに圧倒されて食塩水の3公式は出る幕もありませんでした。ついでに、ウデの長さと下にあるおもりの重さの積が左右で一致することも知っておくと便利でしょう。いまの問題では
(12-8)×120 と (20-12)×60 が一致します。

さらに大切なマル秘情報ですが、てんびんは混ぜるものが食塩水ではなく、水や食塩でも使うことができます。水や食塩を混ぜる場合は、こさの部分を次のように書いてください。

水を混ぜるとき→こさを0%と書く
食塩を混ぜるとき→こさを100%と書く

てんびんは食塩水問題に欠かせない優れた解法アイテムです。もちろんてんびんだけでは済まない食塩水の問題もありますけどね。でもかなりたくさんの問題で使えるはずですから、てんびんが使えそうな問題ではどんどん使って、てんびん名人を目指してくださいね。

*今回の講座の復習テストが講座106にあります。

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