NEWみんなの算数講座92 高校の公式に算数が挑む!

NEWみんなの算数講座92 高校の公式に算数が挑む!

みなさんこんにちは。ニューみん算講座92回目です。
今回の講座は少し難しいと思います。高校で習う公式を算数で説明してみよう!という企画テーマです。今日ここで高校の頃詰め込みで覚えた公式の意味がわかり、スッキリする人がいらっしゃるかもしれません。

ではさっそく始めますが、今回の内容が算数でダイレクトに使えることは少ないでしょう。しかし考え方のナルホドさはスゴいですよ?ぜひじっくりとお読みいただき、算数の知恵に感動していただきたいと思います。

今回の本題を説明する前に、ひとつ準備運動をしましょう。この準備運動は算数でもよく使います。

準備運動
整数を1からNまで加える公式を答えてください。

1、2、3、4、5、………、N
これをすべて加えるときは、逆の順番に並べた数列と組み合わせるのがうまい方法です。終わりがNだとわかりにくいと思うので、1から10までの和を例にしてみます。

1+2+3+4+5+6+7+8+9+10=?

1、2、3、4、5、6、7、8、9、10 ←知りたいのはこの和!
10、9、8、7、6、5、4、3、2、1 ←下に逆の順の数列を書く

このようにして、上下の数列の各項を加えてみてください。すべて11になりますね?
11が何組できますか? そう、10組ですよね。11を10倍して110。
しかしこれで終わりにしてしまうと、下の数列までたされてしまうから、最後に「÷2」をすると上の数列だけの和になります。上下の数列は順番は逆ですが、同じ内容の数列だから「÷2」で問題ないですね。1から10までの整数の和は110÷2=55です。

このことから、1からNまでの整数をたすときは、次の①~③の計算をすればよいことがわかります。下に公式を載せておきますね。
①1と最後の数をたす ~上の例では1+10
②最後の数をかける ~上の例では「×10」
③2で割る

整数を1からNまで加える公式 (N+1)×N÷2

いま例で用いた「1から10までの和55」は、算数の勉強では一般常識のようによく使いますから暗記してくださいね。
*1からNまで加えた整数の和を三角数といいます。N=1からN=15までの三角数は次の通りです。
1,3,6,10,15,21,28,36,45,55,66,78,91,105,120

さてここからが今回の本題です。準備運動は1からNまでの整数の和でしたが、次のような和はどうなるでしょう?

1からNまでの整数を、それぞれ2回かけて(2乗して)加える公式を答えてください。
1×1+2×2+3×3+4×4+5×5+……+N×N=?

中学受験生の人で知っている人はかなり少ないと思いますが、ご両親や高校大学のごきょうだいなら知っている人が多いかもしれません。これは高校の数学で勉強する2乗和という内容なのです。先に答えを発表しますね。公式はこうなります。

1からNまでの整数を、それぞれ2回かけて(2乗して)加える公式
N×(N+1)×(N×2+1)÷6

ためしにNに10をあてはめてみましょうか。
10×(10+1)×(10×2+1)÷6=10×11×21÷6=385

385と出ました。これが1(=1×1)、4(=2×2)、9(3×3)、16(4×4)、25(=5×5)、36(=6×6)、49(=7×7)、64(=8×8)、81(=9×9)、100(=10×10)をすべて加えた和です。電卓を使ってたしてみてください。納得しておいてもらえると話がしやすいです。

では冒頭で予告したように、この2乗和の公式を算数で説明しますよ?

Nはいくつにしても同じですが、ここではN=4、つまり
1×1+2×2+3×3+4×4の例で話をします。

このように、ボーリングのピンのように数字を書いてみます。Nを4にしたのはボーリングという言葉を説明で使いたかったのもあります。
さて、このボーリング図。1が1個、2が2個、3が3個、4が4個ですね?
ということはこの数字の合計が1×1+2×2+3×3+4×4の答えです。

この式を普通に計算するのでは、ここでは意味がありません。なぜなら、1×1+2×2+3×3+4×4……+100×100だったら普通には計算できませんよね?いつでも使える公式が欲しい!

そこで算数の知恵! 上のボーリング図のトップピン(1のピン)を左下にした図と右下にした図を用意します。愛用ソフトで作りました。上の図といっしょに並べますね。

3つの図の一番上のピンをみてください。
左の図から順に 1 4 4 です。
その合計は9(=1+4+4)ですが、それはどの位置にあるピンでも同じになりませんか?
たとえば一番下段の左から2番目のピン。
左の図から順に 4 2 3
合計するとやはり9です。
じつは3つの図で同じ位置あるピンは、どの位置でたしてもすべて9なのです。

この9の意味は、最初の数の1と、最後の数の4を2個たした合計。つまりワクで囲んだ公式の (N×2+1) の部分です。
この9を10倍すれば(ピンは10本だから)、上の3つのボーリング図の数字の総合計になります。9×10=90です。
しかしそのままでは3つの図の合計になってしまうので、90を3で割って、1つのボーリング図の数字の合計、つまり1×1+2×2+3×3+4×4の答えは90÷3=30です。

では今の考え方を、いつでも使える公式として残しましょう。
①3つのトップピン(一番上のピン)の合計は1+N+N。この式を整理してN×2+1です。
②1つの図のピンの本数は、準備運動で説明した1からNまでの整数の和、すなわち(N+1)×N÷2です。
③①と②をかけると、3つの図の総合計になるから、「÷3」をして1つの図の合計にします。

以上①、②、③をまとめると、
(N×2+1)×(N+1)×N÷2÷3
各項を長さの順にバランスよく並べ、÷2÷3を÷6にまとめると、さきほどの公式が出てきます。
1×1+2×2+3×3+4×4+5×5+……+N×N
=N×(N+1)×(N×2+1)÷6

以上高校の数学で習う2乗和の公式を算数の範囲で説明することに成功しました!

***
どうでしたか? むかし本で読んだ内容なので、僕のオリジナルではないです。しかしこの算数の知恵には感動を覚えるものがありませんか?算数って素晴らしいですね。
え?3乗和ですか? 3乗和でも4乗和でも公式はずっとありますよ。興味のある方は「ファウルハーバーの公式」で検索してみてください。ここにも少しだけ載せておきましょう。2乗和以上に算数では使いませんが、数の世界に興味を持っていただけたらうれしいです。

3乗和
N×N×(N+1)×(N+1)÷4
*指数表記をすると{N×(N+1)}2÷4
*不思議なことに、準備運動の「1からNまでの和の公式」自体が2乗されています。

4乗和
N×(N+1)×(N×2+1)×(N×N×3+N×3-1)÷30
*前の方は2乗和と似ています。

では今回の講座はここまでにしたいと思います。前回から始めた次回予告をしましょう。次回は「仕事算」を書きます。どうぞお楽しみに!

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