Newみんなの算数講座54 つるかめとんぼ算
みなさんこんにちは。ニューみん算講座54です。
今回のテーマはつるかめ算の発展バージョンつるかめとんぼ算です。つるかめ算を知らないと話についてこれないと思うので、まずはつるかめ算をしっかり解けるようにしてください。僕の授業での口ぐせですが、算数はひとつずつ積み上げていく科目です。2の跳び箱の上に3の跳び箱がないのに4の跳び箱は乗せられないでしょう? 無理して乗っけてもグラグラしちゃって崩れるのは時間の問題ですよね。
ではつるかめ算の復習からいきましょうか。
つるかめ算の復習問題
からすと猫があわせて15匹いて、足の本数の合計は38本でした。からすと猫はそれぞれ何匹いますか?
これはつるかめ算です。つるかめ算の定義は〈2量の直接の和と、2量をそれぞれ何倍かした和を使って2量を求める問題のこと〉です。つるかめ算の解き方は計算だけで解くか面積図で解くのどちらかでしょうね。塾や先生によって半々ぐらいなのかな。面積図も悪くないですが、今回は計算だけでやってみますね。
では計算だけでつるかめ攻略。
手順1
15匹すべてをどちらかの動物にしたときの足の本数を求めます。ここではすべてからすだったとしましょう。
15×2=30本 → 15匹すべてをからすとしたときの足の本数
手順2
実際の足の本数との差を求めます。
38-30=8本足りない
手順3
からす1匹を猫1匹に変えると足が4-2=2本ずつ増えるから、足りない8本の足を増やすために必要な猫の数は8÷(4-2)=4匹です。
これを15匹から引いてからすの数は15-4=11匹です。
計算だけで解くつるかめ算も別に難しくないでしょう?
では今回のメインテーマつるかめとんぼ算を出しますよ。
にわとり、うざぎ、みんみんぜみが全部で26匹いて、足の本数の合計は108本です。また、うさぎの数はにわとりの数の2倍です。にわとり、うさぎ、みんみんぜみはそれぞれ何匹いますか?
これがつるかめとんぼ算です。足の本数が異なる動物が3種類出てますね。つるかめ算は動物が2種類でした。つるかめとんぼ算という名前は、つる(足が2本の鳥類)とかめ(足が4本のハ虫類)の次にとんぼ(足が6本の昆虫)をくっつけて、わからない量が3つに増えたことを表現しています。つるかめカブト虫算と教えている先生もいましたね。3種類のつるかめ算とも言いますが、その言い方はちょっとつまらないですね。
では解き方の解説です。
つるかめとんぼ算はわからない量が3つあるから条件も3つです。問題をみると3つの条件が書いてありますね。
1.全部で26匹
2.足は全部で108本
3.うさぎがにわとりの2倍
つるかめとんぼ算も「計算だけ」と「面積図」が選べます。とりあえず計算だけで解いてみましょうか。面積図はあとでのせますね。
手順1
条件3.を使って問題を普通のつるかめ算に直します。
うさぎ(足4本)とにわとり(足2本)の数の比が2:1です。このことを使って、うさぎとにわとりの足の本数を平均化させます。
(4本×2+2本×1)÷(2+1)=10本÷3=10/3(本)
この計算でうさぎとにわとりの足の本数が1匹あたり10/3本というように平均化できました。ここで解説の都合ですが、うさぎとにわとりの足の本数を平均化させた1匹の足の本数が10/3本の動物をうさトリと呼ぶことにします。
*1匹の足の本数が分数とは妙に感じるかも知れません。しかしこれは問題を解く途中の一時的な現象で、最後の答えはきちんと整数になります。
手順2
うさトリとみんみんぜみで普通のつるかめ算を解きます。さきほど復習したつるかめ算と同じです。
26匹すべてがみんみんぜみだとすると、足の合計本数は26×6=156本です。
これは実際の足の本数より156-108=48本多いです。
みんみんぜみ1匹をうさトリ1匹に変えると、足の本数は6-10/3=18/3-10/3=8/3本ずつ減るから、足を48本減らすために必要なうさトリの数は48÷8/3=18匹です。
これを26匹から引いて、みんみんぜみの数は 26-18=8匹です。
手順3
手順2で求めたうさトリ18匹を、うさぎ:にわとり=2:1となるように比例配分します。
18÷(1+2)=6匹 → にわとり
6×2=12匹 → うさぎ
このように順を追って考えていけば式だけで解決させることもできますね。もし面積図を書いて考えるなら次のような面積図になります。
タテが1匹の足の本数、横が匹数(オレンジの数は実数ではなく比)です。さきほど式で説明したように、左側のにわとりの長方形と、中央のうさぎの長方形を平均化させれば、3つの長方形を2つにまとめることができて、つるかめとんぼ算をつるかめ算に直すことができます。
以上つるかめ算の復習~つるかめとんぼ算でした。
最後に改めてつるかめ算(つるかめとんぼ算)の解き方についてですが、計算だけで済ますか面積図を書いて考えるかのほぼ二択なので、みなさんが自分に合う方を選べばよいと思います。両方を使い分けるのもアリですね。算数は答えはオンリーワンですが、アプローチはいくつかありますからね。ワンパターンも味気ないでしょう。いろいろ試してくださいね。
では今回の講座はこれで終わります。次は連続数での和分解というおもしろい整数問題にふれようと思います。そのときにまたお会いしましょう!
カーテンコール
つるかめ算は計算か?面積図か?の補足。じつはつるかめ算の親せきに弁償算という文章題があって、それは残念なことに面積図による表現ができません。弁償算は計算だけで押し通すしかないんです。つまり面積図がないとつるかめ算が解けない人は弁償算で困ってしまいます。この事情まで考えると計算だけで解く方が少し優勢と言えるでしょう。弁償算についてはいつか書きますね。
みなさんへの宿題
すずめとたぬきとタコが全部で40匹いて、足の本数の合計は184本です。また、すずめとたぬきの数(動物の数)の比は3:4です。このとき、すずめとたぬきとタコはそれぞれ何匹いますか?
タコの足の数は8本で考えてください。(足は2本だけで6本は腕だという説もあるようですが…)
解答したい方はページ下のコメントに書いてください。正解不正解をレスさせていただきます。お名前はニックネームでもかまいません。