Newみんなの算数講座37 転ばぬ先の杖テスト

Newみんなの算数講座37 転ばぬ先の杖テスト

みなさんこんにちは。

今回は算数講座らしくない話から始めますが、世の中にはたくさんの人が勘違いしてしまうことがよくあります。クジラは魚ではなくて僕らと同じホ乳類、あんなに甘くて美味しいスイカはフルーツではなくて野菜です。そんなの知ってるって? そっか、さすがに初歩的でしたね。
じゃあ洋服が「着れる」が間違いは知ってました? 「着られる」が正しいです。絶対絶命は漢字に間違いがありますよ? 正解は絶体絶命。
話を聞こうとしない人の様子は〈取りつく島もない〉ですね。〈取りつく暇もない〉ではありません。失敗をあきずに繰り返す〈性懲りもなく〉を〈証拠にもなく〉と勘違いしてる人は大人でも多数だそうです。
思いついたものをいくつか挙げましたが、こうした勘違いって優しい誰かが教えてくれたり、ふと何かで読んで知らされるまで、ずっと間違ったまま思い込んでたりしがちなんですよね。いま読んで知ったのがあった? 今日ここを読んでよかったですね( ^^)

いや、なぜこんな話を書いたかというと、じつは算数の問題にも勘違いが後を絶たない問題がありましてね。あまりいい言葉ではないけど、ひっかけ問題といってもいいかも。それで今回はみなさんの転ばぬ先の杖になるように、勘違いが続出する問題を集めたテストを作ってみました。ぜひ次のテストやってみてください。内容的は4,5年生で習う基本ばかりですが、満点はかなり難しいと思います。

では始めっ!健闘祈ります。

転ばぬ先の杖テスト〈各20点×5  10分〉

(1)次のわり算をしなさい。 ただし、商は四捨五入して小数第2位まで求めなさい。
35.9÷24

(2)次のわり算をしなさい。ただし、商は整数で求め、余りも出しなさい。
4と4/5÷2/3 *分数の表記は分子/分母です。左の分数は帯分数です。

(3)200以上300以下の整数の中に5の倍数は何個ありますか。

(4)3mの材木を50cmずつの丸太に切断することにします。1回の切断に10分かかり、1回の切断が終わると2分休憩します。この作業は全部で何分かかりますか?

(5)500円玉が1枚、100円玉が2枚、10円玉が3枚あります。これらの硬貨を使って支払うことができる金額は何通りありますか?

終わりましたか? ちゃんと見直しもしてくださいよ?

では答え合わせを始めます。自己採点してみてくださいね。

答え合わせ
(1)ありがちなNG 1.5 正解 1.50
35.9÷24を小数第3位まで計算すると1.495になります。小数第3位を四捨五入して1.50
通常小数の末尾の0は消すのがルールですが、この場合は問題に「小数第2位まで」とあるから消しちゃだめです。小数第2位まで求めた証拠として末尾の0は残します。

(2)ありがちなNG 7あまり1/5 正解 7あまり2/15
4と4/5÷2/3を計算すると7と1/5になります。4と4/5の中に2/3が7個収まることがわかるので商は7です。しかし、分数部分の1/5は余りではありません。余りは、4と4/5から収まった7個の2/3を引いて計算し直す必要があります。
4と4/5-2/3×7=24/5-14/3=2/15

(3)ありがちなNG 20個 正解 21個
300から200を引いた100を5で割っても答えは出ません。(前後の数値によって正解が出ることもありますが危険です)
正しいやり方は
300÷5=60 →1~300の5の倍数は60個
199÷5=39あまり4 →1~199の5の倍数は39個
これらをひき算して200~300の5の倍数は60-39=21個です。

(4)ありがちなNG 60分 正解 58分
300÷50=6より材木は6片に分かれます。切る回数はそれより1少ない5回です(植木算の考え方)。切るごとに1回休みますが、休む回数は切る回数よりさらに1少ない4回です。5回目の切断が終われば作業が終了し、5回目の切断後には休憩がないからです。作業にかかる時間は10×5+2×4=58分です。

(5)ありがちなNG 24通り 正解 23通り
500円玉の使い方が0枚か1枚の2通り、100円玉の使い方が0枚~2枚の3通り、10円玉の使い方が0枚~3枚の4通り。これらをかけて2×3×4=24通りという考え方はとても優秀ですが正解は1少ない23通りです。全硬貨0枚-0枚-0枚の場合はトータルが0円で金額にならないからです。


自己採点の結果はいかがでしたか?
僕の予想平均点は60点ぐらいかな。もし100点の人がいたら素晴らしいです!算数の実力に加え、注意深さも備わってますね。これからもその調子で出題者が用意した落とし穴を見破ってください。80点の人も合格です。どれを間違えましたか? 次に出たときは間違えませんよね。
2問以上間違えた人は合格とは言えないけど、ひっかかる人が多い問題ばかり並べたので、今回間違えたことは心配いらないです。失敗を経験したことがどこかで活きる形になればうれしいです。え?ひっかかったんじゃなくてわからなかったって? それならここでわかってもらえてよかったです(^^)/

算数は、いろいろな問題を勉強して解く力をつけていくことはもちろん必要ですが、同時にミスや勘違いをなくすことも大事なんですよね。いくら考え方が合っていても、ミスや勘違いでオンリーワンの正解が書けなかったら点数がもらえないわけですからね。計算練習大事です。問題を正しく読み取るために国語の勉強も大事です。そして何よりもこの講座を読みに来てくれることが一番大事です(*^^)

しっかり最後にこの講座をアピールをしたところで今回の講座37を終わりにしますね。たまにはこんな講座もいいかな。次回は普通の講座に戻します。なるべく早く発表しますから、それまでみなさん元気でお過ごしくださいね。

みなさんへの宿題
次のわり算をしなさい。ただし、商は整数で求め、余りも出しなさい。
8と3/4÷1と2/5 *分数の表記は分子/分母です。どちらも帯分数です。

解答したい方はページ下のコメントに書いてください。正解不正解をレスさせていただきます。お名前はニックネームでもかまいません。