Newみんなの算数講座45 ビスケットは二人のものだよね
ようこそいらっしゃいませ。算数講座45本目です。
いま元祖の講座を一から手直しする作業をしてましてね。自分がむかし書いたものを読むのは懐かしいしとても楽しいですが、文章については若かったな~と思うことが多いですね。ニュー講座は読みやすい落ち着いた文章を増やしています。少しずつ先も見えてきました。応援よろしくお願いします。
さて今回は講座13旅館に子どもを配る問題の応用編です。講座13は過不足算でしたね。過不足算ってなに?という人はまず講座13を読んでからここに戻ってきてくださいね。僕は過不足算大好きです。算数の知恵があれば方程式なんかいらない!ということをハッキリお伝えできる文章題だからかな。
では過不足算の応用問題を出しますね。
仲良しの小学生たちが合コンじゃなかったお誕生日会です。男の子は女の子より3人多くいます。用意したビスケットを男の子に5枚ずつ、女の子に3枚ずつ配ると10枚あまり、男の子に7枚ずつ、女の子に4枚ずつ配ると11枚たりません。お誕生日会の参加人数と、用意したビスケットの枚数を求めてください。
講座13の過不足算に比べて条件がややこしくなっているのがおわかりだと思います。男の子と女の子が両方いて、人数も違いますからこのままでは基本過不足算として寄り切ることができません。大人の人は連立方程式で解きたくなるかもしれませんね。X=Y+3と5X+3Y+10=7X+4Y-11の連立ですか? 答えは出せそうですね。確認用にお止めはしませんが、ここでは算数の知恵にふれてみてほしいと思います。
算数ではこう考えます。
男の子のうち3人が誕生日会から帰ったことにします。さびしいですけど家が遠いとか緊急の用ができたことにしてください。そうしないと男女の人数がズレていてうまくいかないのです。男の子が3人帰ると男の子と女の子が同数になるから男女の仲良しペアが何組かできますね。仲良しかどうかは問題には関係ないですけど、解説の都合上仲良しにしておいてください(*^^)
図にしてみましょう。
・・・・・・・・・・
5・・・・・・・・・・5
3・・・・・・・・・・3 10あまる→25あまる(3人帰るともっとあまる)
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
7・・・・・・・・・・7
4・・・・・・・・・・4 11不足→10あまる(3人帰ると不足が改善する)
・・・・・・・・・・
小さいイラストが帰った3人の男の子です。このとき大事なことがあります。帰った男の子にはビスケットを配る必要がなくなるから、全体のあまりや不足が変化しますね。 上段では5個×3人=15個のビスケットが不要になり、10個だったあまりが25個に増えます。下段では7個×3人=21個のビスケットが不要になり、11個の不足が改善されてあまり10個になります。
この調整が済めば男女の人数はそろってますから、それぞれの仲良しペアでもらえるビスケットは「わたしの分もあなたの分も二人のものだよね~」という約束をすることにしまして、問題を次のようにとらえ直します。
お誕生日会で何組かの仲良しペアができました。用意したビスケットを1組のペアに8枚(5+3)ずつ配ると25枚あまり、11枚(7+4)ずつ配ると10枚あまります。お誕生日会の参加人数と、用意したビスケットの枚数を求めてください。
ここまでくれば講座13の基本過不足算だから大丈夫ですね。では講座13で解説した過不足算メモを使って最終解答へ。
1組分 全体
8 25あ ←あまりの あ
11 10あ
差をとる 3 15
割る 15÷3=5組 ← これが仲良しペアの組数です
お誕生日会の参加者の人数は5×2+3=13人 ←ペア数を2倍。帰ってもらった3人も忘れずに!
ビスケットの枚数は、1組に8枚ずつ配ると25枚あまることから、5×8+25=65枚と求めることができます。
過不足算応用編どうでしたか? なんとなくわかったような わからないような感じ? そんな感想の人が多いかも知れませんね。インターネットは毎日見られます。今日ダメでも明日読み直したらわかるかも知れない。焦らずにのんびり気長にがんばってくださいね。え? うちではプリントアウトしてやってるって? そっか~、それは嬉しいですね。じゃあたくさんたまったら表紙をつけて本みたいにしてくださいね。そしたら僕はもっと嬉しくなっちゃいます。
では今回はうれしくなったところでサッと終わります。また次の講座を楽しみに待っていてください。
*全講座をこちらでカラー印刷したファイルも販売中です。トップページ講座目次のところにご案内があります。ぜひどうぞ!
カーテンコール
はじめて書いたときにこんなメッセージをつけてました。迷いましたがこの考えはいまも変わらないので校正して残しておきます。
⇒⇒⇒こうした問題を見た大人の人は、つい方程式に頼ってしまいたくなるでしょう。僕の生徒でもときどき鼻高々に方程式を持ち出してくる子がいて「誰に習ったの?」と聞くと「うちのお父(母)さん」
僕はあまり賛成しません。方程式を持ち出したら何のために算数をやっているのかわからなくなりますからね。連続した思考を積み重ねることで頭を柔らかくしていくことが算数のねらいです。方程式は思考過程が省かれやすい傾向があるんです。省かれた中に柔らかい頭を育てる算数の知恵、アイデアがたくさんありますよ? 子どもさんへの算数のご指導では、グッとこらえて方程式は世の中にナイものと思っておく方が無難です(^^♪
みなさんへの宿題
ある会社には男性社員より女性社員が4人多くいます。健康ランドの割引券を、男性1人に7枚ずつ、女性1人に5枚ずつ配ると割引券は38枚あまります。男性1人に6枚ずつ、女性1人に10枚ずつ配るには割引券が46枚足りません。この会社の社員の総数と、割引券の枚数を求めてください。
解答したい方はページ下のコメントに書いてください。正解不正解をレスさせていただきます。お名前はニックネームでもかまいません。